ひのりごと 4

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最近楽しみにしている事があります。
それは、仕事終わりに行く銭湯です。しかも週末の夜、旅に出る前の銭湯です。
といっても、まだ二回しか経験していないのですが…。
走って汗だくの体でバックパックを背負って向かうのは、オフィス街から住宅街へと変わって行く中間地点の様な場所にある銭湯です。周りにはオフィスビルも、お惣菜屋さんのような商店も、植木が並ぶ路地裏もあります。
今年の春、夜の船で大島へ向かう前に行った時、
女湯の御婦人達が程よい距離感で、でもお互いを気遣いながら楽しそうに会話しているのが印象的でした。
そして先日も、青森へ夜の新幹線で向かう前に一風呂浴びに行きました。
前回程混んでいない脱衣所。後から入って来た婦人がお風呂上がりの婦人に話しかけました。
「前もこの時間に来たけどあまり混んでないわね。」
「そうね、あっち(近隣の違う銭湯)はこの時間結構人がいるんだけどね。もう少し後の方が混んでるわよ。」
着替えながらもう一人が答えました。
うろ覚えですがこんな会話だったと思います。
すると、
「そうなのね。じゃあ今度は時間をずらして来てみよう。」
と、最初に話しかけた婦人が言いました。
ここで私は、はっとしました。
私は旅前で少し焦る気持ちもあり、空いていて良かったと思っていたのですが、
来ている方の中にはお風呂と同じ位会話を楽しみにしている人もいるんだと気がつきました。
なんだかいいなと思いながら、私も汗を流して熱い湯船に浸かりました。
そしてまた脱衣所で着替えていると、私の大きなバックパックに気づいたある婦人が、
「どこかに行くの?」と、訪ねてきました。
これから青森にねぶたを見に行く事を伝えると、周りの方も反応し、今度は私がみなさんの会話の中心となりました。
「へー!いいわねー!」、「楽しんでね!」と、次々と声をかけて下さいます。
その連鎖が脱衣所に人が入ってくる度に伝わり、最終的にみなさんに見送られる形で脱衣所を後にしました。
この後いい気分のまま新幹線の中で飲んだ缶ビールが最高に美味しかったです…。
仕事から離れているような話しですが、数回の「ひのりごと」で書いてきたように、街を走るようになってから地域性を強く意識するようになりました。
同じ東京の中にも様々な場所があります。街の風景の中に色々な人がいて、その街の人が色々な風景を作っています。それが植木鉢が並ぶ様子に表れたり、銭湯での会話になったりしているのだと思います。
私はそれを実際に自分の目で見て触れて、どんな人がいてどんな街なのかを知ること、感じること自体を楽しんでいます。
秋も冬もまた、この銭湯からいい旅ができればいいなと思います。

ひのりごと 3

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お盆休みに入りました。
普段走っているオフィス街は人も車も少なくなってとても静かです。
山に行った時に感じる静けさとは違って、通常あるはずのものがない、引き算で生まれる静けさは少し変な感じがします。
車が走る音、人の喧噪に脳が慣れすぎているからでしょうか。疲れていると「それ」をうるさいと思うこともありますが、無いと少しさびしく感じます。
この、街の少しさびしい感じが私にとってのお盆、そしてお正月のイメージです。
実家が東京の為、帰省という概念があまりありません。帰省する人にとっては地元の友達と久しぶりに会ったりと賑やかなイメージなのでしょうか。
こうして静かなオフィス街で、毎年少しさびしくなって、休みを取れば良かったと思うも、中途半端に休めない貧乏性です。

ひのりごと 2

たむろする若者。
叫ぶ若者。
割れた空き瓶。
「マックチキン」すら伝わらない(伝えられなかった)やたら賑わう深夜のマクドナルド。
じろじろ見られる自転車に乗った日本人。
4年前に訪れたパリの20区、夏の夜の光景です。
「パリならどこでもパリ」と思って出発前に予約したユースホステルはパリのはじっこにありました。
心配性なのに安易な性格です。
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滞在中毎日ここを出発して中華街を抜け、人種が少しずつ変わるのを感じながら中心へと向かいました。帰りは反対に少しずつ華やかさが薄れていくのを感じながら宿に戻ります。
これが自転車の旅の良さでした。
イメージしていた華やかでお洒落なパリ、予想外なパリ、どちらもまるごと味わいました。
地下鉄で移動して目的地だけ見ていたら、安易な私はきっとそれがパリだと思っていたはずです。
途中経過があるからこそ目的地のその街での立ち位置や意味を感じられました。
この事は日々の仕事中にも感じています。
渋谷や丸の内、銀座があって八丁堀や月島がある。
そして街と街の間にも街があって…、どんな繁華街も少し行けば人が普通に暮らしている場所がる。
当たり前のことですがメッセンジャーを始めるまでそんな事を大まかにとらえていた気がします。
西麻布や六本木に人が住み八百屋があって、なんていうイメージがありませんでした。
「東京を中心もはじっこも一つ一つ自分の目で見られる。」
メッセンジャーをやって良かったことであり、面白いと思ったことの一つです。

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ひのりごと 1

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上は上野の不忍池。
下は週末に訪れた青森。
たくさんのビル、お店、家、車、様々なものが入り交じった東京。ビルからビルへ移動する間にたくさんの情報が頭に入ってきます。そんな景色を抜けて見た蓮の花。
四方を山に囲まれた中を移動して見た青森の蓮の花。
どちらもとても奇麗でした。
でも、見え方は違います。
どちらが良いかという訳ではないけど、景色に突然ギャップの生まれる東京が好きです。
メッセンジャーの仕事はアップダウンの繰り返しです。
長雨の後の晴れ。
過酷な天候の中でお客様から頂く嬉しい小さな一言。
午後から突然軽くなる足。
単調な景色の後に現れる、「いいなー!」と思わせる景色や瞬間。
そんなことを繰り返して8年近く走りながら考えてきたことをここに書いてみようと思います。
ビルとビルの間に思うこと、好きなこと、もの。
NORI(クリオシティ東京支社担当)。
4年振りにこのブログに登場しました。前回はとても奇麗にフェイドアウトしたので今回は自分らしく思うままに細く長く続けて行きたいと思います。