ひのりごと 16

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ビルのてっぺんで、パタパタとはためく旗の音が気持ち良い信号待ち。
昨日は、春になりたてよりは暖かく、初夏よりは風が冷たい、絶妙な天気でした。少しだけ強い陽射しも気持ち良かった。
そして、連休前の金曜日。いつもより忙しい午後。
こんな日の楽しみは…。
走るスピードを上げて、体に当たる風をTシャツの中に通すこと。
背中を少し丸めて、メッセンジャーバックと背中の間にできた空間にすっと入って行く風。
Tシャツの袖口を正面に向けて、腕から胸にバタバタと思い切り流れ込む冷たい風。
急いでる時の前傾姿勢を利用しながらの、最高に気持ち良い瞬間。
走る行程を考えながら、車と人の流れをしっかり見ながら、いつにも増して(きっと)キリッと真剣な私の顔。
の、中では…
「き、気持ちいい〜!ひゅ〜!」
浮かれ顔。
犬が舌出して喜んでる時の、あの顔です。
でも、「ノリちゃん」じゃなくて、「ノリさん」と呼ばれる事も多くなったお年頃。
見かけは崩さず、目つき鋭く真剣に。を、心がけているけど、どうでしょう。すれ違ったメッセンジャーのみなさん…。

※あ、浮かれても集中力だけは失わずに。

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ひのりごと 15

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毎日毎日、通る桜田門。
通る度に、「綺麗だなー、あぁ…いいなー。」って思って、
そう思う度に、写真も何枚も撮ってきたけど、
「やっぱり綺麗だなぁ〜。」と思って、今日も写真に収めました。
人の地元を悪く言う事ってあまりないと思うけど、何故か色んな人からとやかく言われがちな「東京」。
住み心地が悪いとか、人が多過ぎるとか…。
それだけかな。
綺麗な所が、良い所が、もっともっと、真っ直ぐに伝わればいいなって思ってます。
誰に?
他県の人にも、住んでる人にも、どんな人にも。
「あんた、東京のなんなのさ?」って言われればそれまでだけど、30年暮らして、毎日走っている特別な場所。
これだけ毎日街の中にい続けて、色々なものを見ていると、必然的にそう感じます。
良い所だけじゃないけど、悪い所ばかりでもない。
どんな街もそう。
旅に行くと、感度を上げてその街の良い所を感じようとするけど、
そんな風に、日々の生活でも、少しだけ感度を上げて、私も、もっともっと東京の良い所を知りたいと思います。

ひのりごと 14

いつも側にいた人が、サヨナラも言えないまま、いつの間にかいなくなる。
そんな別れを経験したことはありますか?

私はあります。

私の胸にいつもいた、雨の日は必ず寄り添うようにいてくれた…

雨具の、胸のロゴの刺繍が、
いつの間にかこんな事になっていました。

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「Columbia」の、CとOが、メッセンジャーバッグのベルトに擦れて、消えていました。
ほつれたというよりは、バッグの上げ下ろしの動作で、少しずつ無くなったんでしょう。

日々、同じ動作を繰り返すメッセンジャーの業務。
その痕跡は、他にもこんなところにありました。

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自転車のクランク。
漕ぎグセがあるのか、靴との擦れで研磨されてこんな感じに。

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鍵をかける時に、フレームと接触する部分。一日に何度も繰り返すのでたいぶ削れています。

言わないと気づかない、小さなポイントですが、自分にとっては何だか大切に、そして、ちょっと愛しく思える、「仕事の跡」です。

ひのりごと 13

3月某日、仕事帰り。

某量販店に寄ったところ、ずっと欲しかった毛布が、70%オフになっているのを発見。

色素敵!ウール100%!しかも70%オフ!

うきうきでカゴへ。

お、隣にある、膝掛けも70%オフ!

色素敵!ウール100%!しかも70%オフ!

ワクワクでカゴへ。

お、お、その並びにある、ミニクッション。

サイズがいい!2つ欲しい!値段は正規..。

でもカゴ、へ?

あれ?メッセンジャーバッグに全て収まるだろうか…。

自転車なので、全て入らなければ、帰れません。

や〜、、なんとかなる、はず!

「良いもの」が、良い値段と良いタイミングでみつけられた嬉しさで、脳内はポジティブ思考。

しかし、お会計後、全て袋に入った姿を見てちょっと焦る。

予想以上のふくらみ…。なんとかなるかな。。

お店の隅に移動して、バッグに入っていたに物を全て出し、改めてパッキング。

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なんとかなった!その気持ちの良い納まり具合が嬉しくて、家についてから写真をパチリ。

一見、何て事の無い様に見えますが、中身はこちら。

小さな身長故に、人よりかなり小さなメッセンジャーバッグです。

(みかんはお昼ごはんのあまりです。)


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メッセンジャーバッグ。

あまりに身近すぎて、今さら褒めるのもベタな感じがしますが、改めて、その使い勝手の良い構造に、感心しました。

四角い大きな袋に、ベルトと蓋、そして、紐が二本。

このシンプルな形状で、あらゆる荷物を納めてくれます。

横幅より大きく、長い荷物は、蓋を少しずらして、飛び出す様に、斜めに入れればいい。

この日の様に容量が増えたら、ふたを開けてひもをきゅっと締めればいい。

大き過ぎて、もはや、中に入れる事ができなくても、紐だけで支える事も出来ます。

シンプルだけど頼りがいのあるところが、メッセンジャーと一緒だな。(自画自賛ではありますが)。

自転車と自分の脚と頭だけで、荷物を運ぶメッセンジャーと一緒。

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先日、仕事帰りに寄った花屋で、おまけしてもらった満開の菜の花も、つぶさずに生き生きしたまま持って帰ることができました。

優しくて頼りになります。

 

ひのりごと 12

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そんなこんなで(ひのりごと 11参照)、
一昨日から強風と共に降り続いた雨は、昨日のお昼過ぎに止み始めた訳ですが…

空が少しずつ静かになり、アスファルトが乾き、水分を背負ってうなだれていた草や花がふわっと軽くなって行く瞬間。
日が沈んで暗くなるのに間に合うように、街に久しぶりの光が射す光景。

その少しずつ変化していく、グラデーションの中に居続ける、気持ち良さ、心地よさはなんとも言えません。

毎日走っていれば、こんな事、幾度となく繰り返す事なのですが、
でも、その度に、驚きの様な、高揚する様な気持ちになるのです。

大げさなのかもしれないけれど、この気持ちがあるうちは、「まだ走れるな。」と、思います。

ひのりごと 11

ポツ…ボツ、ボツ、ポツ…。

すっぽり被ったカッパのフードに、雨が当たる音が聞こえます。

今日は春の嵐。
灰色の空の下、正面から思い切り吹き付ける雨と、その中に紛れる桜の花びらが綺麗でした。

被ったフードで少し狭まる視界と、少しだけ遮られる風の音。
雨が降るとこのフードの中の、いつもより少し静かな空間で、あれこれ考えます。
晴れていても、走りながらいつもあれこれ考えるのだけど、少し集中して落ち着いた気持ちで、アレコレと。

そして、必ず思い出す人がいます。

雑に伸びたボサボサの金髪。歯は抜けて、いつも同じワークキャップを被った、イギリスのどこかのメッセンジャー。
彼とは何年も前のイベントで出会いました。
お互いの国の仕事の話しをしていた時に、雨の日の話になりました。
彼は雨が好きだと言います。
「雨の日は、街を歩く人が少なくなるから走りやすくて楽。」なのだそうです。
「ふーん、なんでも気の持ちようだなー。」
と、経験浅き日の私は単純にも感化されました。

以来、雨が降る度に彼を思い出します。
未だにその言葉に特別以上の特別な思いがある訳でもないけれど、なんとなく頭の中に浮かぶのです。

さて、今日の雨は15時頃まで降り続きました。

冷えた体を、人形町の「柳家」の焼きたての鯛焼きで温めました。パリっと香ばしい皮が大好きです。

いつも大行列で、なかなか買えない柳屋さん。しかしこの嵐の中に買いに来る人はさすがに少ない様で、今日はあっさり買えました。

うん、確かに。
彼の言葉がまた頭に浮かびました。

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