ヤナ犬です。

もう半年以上も経ちますが、最近ようやく時間が取れたので昨年の海外遠征レポートを
書こうと思います。
昨年の9月に、中米グアテマラで開かれたメッセンジャーの世界大会に参加してきました。
2003年のシアトル大会以来、7年ぶりの参加です。
その途上、ロサンゼルス(L.A.)にも4日間立ち寄り、向こうのメッセンジャー連中と
過ごしてきたので、その辺も含めて小旅行記みたいに紹介していきます。

Vol.1 出発ドタバタ編

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そもそも2週間も仕事から離れること自体、独立開業7年目にして初めてのことだったので、
出発前は2週間分の仕事も前倒しで行うため、かなりドッタバタだった。
だからなのか、出発直前の成田空港で気付いたが、財布がない。
防犯対策で1万円札とクレジットカード2枚だけをポケットに入れて、
財布と分けて保管するつもりが、肝心の財布を忘れてきてしまった。
しかも、そのクレジットカードはキャッシング機能がないため、
いろんなATMでトライしてみたが、やっぱりお金が借りられない。
段々と青ざめてくる…。
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航空券とパスポートはあるので出発自体に問題はないとしても、
所持金1万円だけで果たして2週間もやっていけるんだろうか。
「こういう時こそ、メッセンジャーに頼ろう!」と思ったが、
仮に空を飛んできたとしても時間が足りない…。
「なんかの深夜番組の企画みたい」などと思いつつ、一路LAへ発った。
飛行機の中―。
「どう考えてもショートするよなぁ。
どうする?どうやって切り抜ける?
落ち着け、落ち着け…。」
「LAのメッセンジャーに借りようか。
でも、会って早々に「金貸して」はないだろう。さすがに失礼だよなぁ。
とりあえず、クレジットカードはあるから買い物はできる。
だからアメリカにいる間は大丈夫だろう。
問題はグアテマラだ。
カードだけで1週間以上過ごせるとは思えない。
ってことは、アメリカにいる4日間のうちに、現金を手に入れないといけない。」
「考えてみると、カードで何か魅力的なものを買って、それを売れば現金は手に入る。
それって何だ? タバコ?ビール?
金額が小さいと、売れずにあげることになるんじゃないか?
先にモノを買ってから売ろうとすると、売れ残る可能性もあるから、
買おうとしている人がレジで精算する時に上手く間に入れれば、リスクはなくなるかな。
家電とかだったら、一回成功すれば解決しそう。
しかし、怪しまれないか?
自転車繋がりを生かして、自転車屋さんで自転車を買う人に交渉してみたらどうか?
それなら何となく自然な気がする。
よし、それでいこう。」
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窓の外を見ながらそんな作戦を立てつつ、あっという間にLAに到着。
1万円札をさっそくドルに替える。120ドル以上になり、時代の流れを感じる。得した気分。
さっそく泊めてもらう予定のメッセンジャーのIggy(イギー)に電話してみる。
別のメッセンジャーの友人が宿泊先を手配してくれたので、Iggyと話すのはこれが初めて。
名前からして出身はどこの国の人だ? ていうか男か?女か?
出てみると、おじさん風の声。
とても陽気で親切な人っぽい。ひとまず安心。
出発の際、成田空港で海外でも使えるケータイを借りてきて良かった。
支払いは後日ドコモの通話料とセットだって。お金持ってないから、すごく助かる。
指示のあったユニオンステーションまでバスに乗ったが、
ドライバーの黒人のお姉さんが、喋るようにホーンを鳴らしまくるあたり、さすがアメリカ。
こんなに鳴らしまくってていいのか?
しかも笑顔で。
ビルもいちいちアメリカンサイズで、高いというよりデカい。
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そんな観光気分もつかの間、肝心のポケット辞書も忘れてきたことに気が付く。
まったく、大丈夫か?自分。
開き直るしかない。
もう、どうにかなるでしょう。
バスを降りて、しばらくIggyを待っていると、メキシカン風のおばあさんがやってきて、
バスに乗るお金がないから75セントちょうだい、と言ってきた。
英語が分からないフリをしてみたが、何度も聞いてくるので1ドル札を渡した。
「あなた、日本人?」
「Yes, 僕もお金そんなに持ってないんだけど…。」
「どうもありがとう。」
なんかアメリカに来たって感じだなぁ。
そうこうしているうちに、Iggyの車がやってきた。
(続く)