時間が経っちゃいましたが、、、ちょっとした連載読みものです。
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Vol.1 「出発ドタバタ編」
Vol.2 「BFF LA編」
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BFFのアフターパーティーでの雑談より―。
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LAのメッセンジャー事情を聞くと、09年に150人いたメッセンジャーも、
リーマンショック後には60人くらいまで減ってしまったそう。
一般に言われるLAとは、実はメチャクチャ広いエリアを指していて、
メッセンジャーたちが言うLAとは中心部( DTLA = Down Town Los Angels)のこと。
「横浜」って言っても、横浜市18区全部を入れるとすごく広いけど、
いわゆる俗にいう「横浜」と言えば、「横浜港に沿ったエリアを指す」のと同じようなもの。
LAの他のエリアにもメッセンジャーは居るのかもしれないけど、
彼らは、DTLAとは区別していて、自分たちのエリアに誇りを持っているようだった。
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LAのメッセンジャーたちが運ぶ荷物は他の都市と比べて少し特殊で、
裁判所絡みの仕事が多い。日本人から見ると驚くくらい、すぐに訴えるのは
この国の文化だが、訴訟の多いカリフォルニアの中でもLAはダントツに多いそうだ。
確かに、「驚く訴訟 アメリカ」などで検索すれば苦笑いする訴訟なんて続々出てくる。
訴訟が多いと弁護士や検事が忙しくなるばかりか、メッセンジャーも
実は支えられているってわけだ。
そういった仕事はlegal serviceと呼ばれ、その資格を持つメッセンジャー会社は
それを示すことで公的文書も扱えるとアピールできるので、
ウェアや目立つところに表示したり、社名に冠して「リーガル○○」とする
メッセンジャー会社も多い。
2003年にあったシアトルの世界大会の時も色んな会社を回ってみたが、
確かに「○○legal」とか「legal○○」って社名が多かった。
「社名に付いてるLegalってどんな意味?」って聞いたら、現地の奴が
「これが付いてる会社は裁判所に持ち込むような書類でも扱えるってわけさ。
うちの会社は資格がないから、けっこう他で頑張らないと厳しいんだ。」
そんな会話を思い出した。
日本では、メッセンジャーが裁判所に直接駆け込んで行く光景は、ほとんど見られない。
横浜では10年くらい前に一時頑張ってちょこちょこデリバリーしてた時もあったが、
現在はほとんどない。
法曹界の保守的な体質が原因と思うが、規制緩和の流れに乗って、
信書便事業の資格を持つメッセンジャー会社であれば、市場を開放してもらえると
助かるのになぁ。
女性事務員の仕事が減っちゃうことになるかもしれないが、外回りはメッセンジャー、
内勤は事務員と分業した方が、効率も事務員の満足度も上がるだろうに…。
そんなこんなで、あっという間に夜も更け、夜中の2時頃に解散。
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みんな自転車で帰って行く。
1時間くらい掛かるらしいが、「近いからまったく問題ない」と言っていた。
たくましいなぁ。
僕が泊めてもらうIggyの家は、街のど真ん中にあり、
ワンルームで月550ドルらしい。
やってみたいなぁ、この街でメッセンジャーを。
そう言えば、日本人をまだ一人も見掛けていない。
LAは日本人が多いんじゃなかったっけ?
どこにいるんだ、日本人。
明日は朝からIggyについて行って、仕事を見させてもらう予定。
これまた楽しみだ。
(続く)