ひのりごと 23

梅雨間の日差しの強い昼下がり、芝浦の大きな建設現場の狭い脇道。
真っ白な日傘をさした4、5人のおばちゃん達が歩くのを、後ろから見守りながら(追い越し不可能)ゆっくりと走っていました。
ここに何ができるのか気になるおばちゃん達。
一人が工事概要の書かれた掲示板をじっと見つめます。
そして…
「色々できるみたい。色々!」
「あ~、そう!」
と、他のおばちゃん達は素直に頷く。
なんという情報処理能力。ばっさりと細かい情報を切り捨てました。
雑然とした情報が多い時代をたくましく生きる為に必要な能力なんでしょうか。

話変わりまして、先日の事。
同じく芝浦に頻繁に行くビルがあります。
最近そのビルの隣に新しく居酒屋ができました。見た目はよくある安い居酒屋。
ある日そこに列ができていました。恐らくランチ営業の開店前。シートを敷いて陣取りしてる人も。
何だろう?と思いつつもこの日だけの特別かな?とその場を去りました。
そしてまた別の日、やはり並んでいます。
もしかしたらそこに美味しい何かがあるのかもしれない!と思うと気になってしかたなくて、、とうとう列に並ぶ人に声を掛けました。
「あ、あの何に並んでるんですか?」
「オガサワラマルのチケットだよ。ランチじゃないよ。」
ん?
オガサワラマル…?
あ…小笠原丸!
(しかも聞いてないのにランチじゃないって言われた!恥ずかしい!先にもらっていた居酒屋の案内を後ろにそっと隠しました。)
居酒屋のあるビルに、小笠原海運という会社が入っていて、小笠原諸島に行く船のチケットを直接購入できるそうです。
意外すぎる答えにびっくりしましたが、急に小笠原諸島に興味が湧いてきました。
美味しいものではなかったのは多少残念でしたが。

走っていて気になるものがあったら、こんな風に直接聞いてみたり、後から調べてみたりします。
調べてから行くのも楽しいけど、目で見てから自分の感覚で気になったものを調べて自分なりに知識を収集、蓄積するのもなかなか楽しいです。
自分の中に作るスクラップブックみたいなもの。

こうして無駄な知識は溜まっていき、おばちゃんのようにばっさり情報処理ができないので、たくましく生きるにはまだまだ時間がかかりそうですが、スクラップブックから本当に自分の好きなものが見えてくる時は来ると思います。

ひのりごと 22

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昨日からやっと梅雨っぽい天気になってきた東京です。

雨の仕事を終えて帰宅したら真っ先にしたいこと。
1位 シャワー(熱め)
2位 ビール(いつでも冷え冷え)
3位 さっぱりした体で寝っ転がる(ごろーん)
ですが…

現実は、しっかりと濡れたバッグや雨具、靴等を乾かす作業が待っています。
「めんどくさー!ごろーん!プシュ♡」なんてしても、誰にも怒られることはありませんが、翌日には確実に「臭いと不快」が待っています。
朝一、靴に足を入れた瞬間に濡れる靴下。
メッセンジャーバッグを背負った時にじと〜。
フラップを開けた時にふわ〜ん。
最悪です。女性としても。

ということで、
帰ったら先ず、玄関で雨具を脱ぎ、新聞紙を厚めに敷いてバッグをドカッ。濡れてどっしりと重くなった靴下を脱いだら、新聞紙をビリっと破ってクシャクシャっと丸めて靴の中へギュッ。
バッグの中の小物も出して並べます。

ここまでできたらやっとシャワー。
面倒だけど翌日には「快適」が待っています。
乾いて軽くなったバッグ。
恐る恐る足を入れるも思いのほか乾いた靴。
まぁ全体的に臭いは少しあるけれど、通勤で風を当てればさよならできます。

これからの時期は翌日も雨なんていう日も続きますが、それでもこの作業はします。一日の始まりの一瞬だけでも快適さを味わいたいから。

少しでも気持ち上向きにしたい梅雨時です。

ひのりごと 21

水曜日の仕事帰りにライブに行った。

大好きなTOKYO No.1SOUL SETと、田島貴男(オリジナル•ラブ)、ペトロールズの3組。

ペトロールズから始まったライブ。
初めて聴いたけど、かっこいい!かっこよすぎる!大人!
音楽だけではなく赤いTシャツ、髪型も…。ドキドキ。

次は田島貴男さん。
オリジナル•ラブ、そこまで思い出が無い。けど、あの声、顔!は分かる。そして渋谷系というキーワードも。
登場…。
わっ!真っ赤なシャツ!シルバーのギラギラのギター!止まらない左足のステップ!!
ものすごい濃さだ。
普段なら後ずさりして引いてしまう濃厚さ。
けど、いつのまにか引き込まれてしまう音楽。すごい。
自分の知識が浅すぎるだけだけど、渋谷系のポップなイメージはない。強力な濃さしかない。

というか、何とか系って何だろう?
翌日、走りながら考えた。
私はカテゴライズされるのが苦手だ。
山ガール、鉄子、自転車女子。
神保町の古本屋に積まれた歴史の本をちらっと見ていただけで、「あんた、歴女かい?」と言われたこともある。
山も電車も好きだ。登ったり乗ったり、眺めたり。
自転車は周りの好きな人には叶わないけど、好き。
歴史は知るのは好き。詳しくは無い。
全て、自分の好きなものを好きな様に楽しんでいるだけだ。

先日、社長(弊社の)と話す機会があった。
最近社長は会う度にこのブログの話をしてくれる。
だいたい、「いいね!」と「もっと更新していこう!!もっと短くてもいいよ!」と言われる。
いつも自由に書かせて頂いてとても有難い。
そして、この時は私が発信したい事の話をした。

今までメッセンジャーは、そのライフスタイルや見た目を発信する機会が多かったが、私はそのメッセンジャーが見ているものをもっと発信したい。
メッセンジャーはかっこいい人が多い。けど、私の様にずんぐりむっくりな人もいる。
そして、大きな高速道路にテンション上がったり、路上の植木鉢に見とれたりする人もいる。
見た目だけでは分からない、その人が走りながら考えている事を伝えたい。
そしてそれは全員違う。

長くなったが大まかに言うとこんな事を給料明細を頂きながら話した。
社長も共感してくれた。(多分。)
そして社長は「メッセンジャーは雑多だ。」と言った。
多様性ではなく雑多。
今度は私がそれに共感した。
メッセンジャーという一つの職業の中に雑多に混在する様々な人。
カテゴライズできない色々な考えがあって面白い。

田島貴男のように全く枠のない音楽はかっこいい。それを伝える力があるのが更にかっこいい。

ライブはソウルセットで終了した。
彼らもカテゴライズできない、させない音楽。やっぱり大好きだ。

自分の好きなものを好きなように。
「あぁ…かっこいい大人になりたい。」と、思った水曜日。

そして、、隣にいた田島貴男の熱狂的なファンであろう女性の、何度も繰り返す「フォーーーーー!」という叫び声で、耳がぼんやり詰まっていた木曜日なのでした。

20130608-094728.jpg素敵な土曜日を。

ひのりごと 20

ありがとう。

10年前に、京都でメッセンジャーを始めて、大阪、東京…そして最後に横浜を走った同僚が今日でラストでした。

10年間…。
何日間強い陽射しを浴びたのだろう?
何日間冷たい雨にさらされた?
雪は何日?
思い通りにいかないオーダーもたくさんあった?

そんな事がたくさんあったとしても、そんな事を自慢気に、得意気に話す事もなく、たんたんと、そして、常に最高の笑顔で走っていた人。
心から尊敬。
「ずっとメッセンジャー」(社長の挨拶より)決定らしいので、またいつでもどこでも美味しいビールを飲みましょう!

おつかれさまでした!

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ひのりごと 19

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昨日の業務終了後、面白いイベントに参加してきました。

「昔のグルメガイドで行く今日の晩ごはん」

昔のグルメガイドを頼りに、自転車でごはんを食べにいくというイベントです。

タイトルだけでワクワクします。

 

先ず、二、三十年前のグルメガイドを開いて、参加者みんなでお店を決めました。

ガイドには霞町、田村町…と、もう存在しない番地も出てきます。

ちなみに、霞町は西麻布、田村町は西新橋のこと。今でも古いビル名に使われていたりするので分かりました。(得意気)

色々な候補が出て、決まったのは西新橋の「酸辣湯」がオススメのお店。

ゴクリ…。

もう、この時点でお腹ペコペコです。

 

目的地にみんなで自転車で向かいます。

近づくにつれ、どんなお店だろう?と、期待は高まります。

と、同時にまだあるのかな?と、不安も高まります。

 

西新橋一丁目の降板交番前。

記載の住所に着きました。

あ、、

あれ…

無い!無かった~!!

ドーンと、某企業のビルが建っていました…。

作戦練り直し。
二番目の候補に上がっていた、すぐ近くの、「釜飯が美味しい」と書かれたお店に変更です。

ドキドキ。

これも無かったら、さすがにがっかりだなぁ…と、思いながらの移動。

この辺かな?あ、あれ?アレ…?

あーっ!あった!!!

店構えは新しくなっていたけどありました!良かった~!

 

早速、注文。

お店の方に昔のグルメガイドを見せて、どれが今のメニューに該当するのか確認して、五目釜飯を頼みました。

お店の方も、初めて見たその本にチョットびっくりの様子。

釜飯が炊き上がるまで、今回のガイド役でライターの地主恵亮さんに色々伺いました。

(地主さん、「昔のグルメガイドで東京おのぼり観光」という本を出されています!)

興味深い事に「昔から続いているお店は、少しずつ味を変えながら営業を続けているお店が意外と多い。」のだそうです。

へーーー!

 

そんな楽しい話しを聞きながら、いつもと違う感覚で美味しい釜飯を食べ終え、イベントは終了。

 

メッセンジャーはよく、仕事で走る為に地図を覚えていく事をパズルに例えて、「バラバラのピースが少しずつ繋がって一つの地図になる」と言いますが、

地図がしっかり頭に入った状態で街を走ると、だんだんとその街の事が見えてきます。そうして気になった場所や建物を調べてみると、意外な発見があったりして面白いです。

最近では八重洲の鍛冶橋交差点が、皇居のお堀だったその場所を行き場のない戦災瓦礫を埋めて出来たものだと知って驚きました。

 

その場所の「時間」を知ると、街が立体的に見えてきます。

 

あぁ、とても楽しい時間でした。

ひのりごと 18

「衣替え」のシーズンですね。
中学生の頃は6月1日の衣替えの日に、
(母校では毎年この日から夏服に移行してました。)制服のブラウスを半袖にするか長袖にするかでドキドキしていました。
登校して、一人だけ半袖!だったらどうしよう…。一人ではりきってるみたいで嫌だな。友達はどっちでくるかな?
思春期ならではのドキドキでした。

それが今では…
ちょっと暖かくなったら、迷わずTシャツ。
暑がりなもんで、張り切り屋さんと思われようとも、快適さ優先です。
というわけで、早々にTシャツを解禁していましたが、今週からちょっとした衣替えをしました。

ニットキャップから、サイクルキャップへ。
久しぶりに見る、自分のサイクルキャップ姿は新鮮です。
メッセンジャーっぽいな〜と、うきうき。
昔は、先輩メッセンジャーがかぶるサイクルキャップを見て、「何だ、あの小さい帽子は。」なんて思ってましたが、今では山ほど持ってます。
イベントでもらったり、海外のメッセンジャーと交換したり…。
全部かぶらないけど、捨てられないものばかりです。

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ひのりごと 17

「では、君は今、嬉しい悩みを抱えているんだね。」
「いえ!御社が第一希望です!!!」
…。
…。
ガー。開くドア。
「ふーーー!」(私)

先日、エレベーターに一人で乗っていたところ、途中階から乗ってきた男性二人の会話です。
仕事柄、一日に何度も色々なビルのエレベーターに乗ります。そして、たまに、こんな緊張感溢れる現場に居合わせたりもします。

エレベーター、とても狭い空間に大きなバッグと共に乗り込むので、なるべく邪魔にならぬように心がけています。
ささっとバッグを前に降ろし、省スペースになるよう配慮しつつ、ボタン押し係りに率先して立候補。
そして、降りる時は急いでいても、なるべく一番最後。
ちなみに、急いでいる時のこの数秒が、逆に焦った気持のリセットになったりします。

さて、一番最後に降りようと待っていると、ドアを押さえてお先にどうぞと譲って下さる方がいます。
ビルにお邪魔している立場のメッセンジャーに、かたじけない。と、思いながらもその心遣いが嬉しかったりします。とても小さな事ですが。
あ、余談ですが…
お届け先で、セキュリティーのかかったドアの前で、人を待っている時に、サッと爽やかにIDカードを出し、ドアを開けて中に招き入れて下さるサラリーマンにも、大半の女性メッセンジャーはドキっとします。
…。

話しがそれましたが、狭い空間、一瞬の出来事ですが、中々に人間性が出るのがエレベーター。
メッセンジャーとして、紳士的で爽やかな印象が残るよう、日々心がけたいものです。

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求人一旦終了

ご応募いただいた方々、どうもありがとうございました。
今回は2名が加入しました。

弊社の求人は不定期で、次回の募集もこちらよりお知らせいたします。
募集開始のお知らせをメールで欲しい方は、リクルートページより
メールアドレスの登録をお願い致します。(受信設定も同時にお願いします)

Ride Safe!

ひのりごと 16

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ビルのてっぺんで、パタパタとはためく旗の音が気持ち良い信号待ち。
昨日は、春になりたてよりは暖かく、初夏よりは風が冷たい、絶妙な天気でした。少しだけ強い陽射しも気持ち良かった。
そして、連休前の金曜日。いつもより忙しい午後。
こんな日の楽しみは…。
走るスピードを上げて、体に当たる風をTシャツの中に通すこと。
背中を少し丸めて、メッセンジャーバックと背中の間にできた空間にすっと入って行く風。
Tシャツの袖口を正面に向けて、腕から胸にバタバタと思い切り流れ込む冷たい風。
急いでる時の前傾姿勢を利用しながらの、最高に気持ち良い瞬間。
走る行程を考えながら、車と人の流れをしっかり見ながら、いつにも増して(きっと)キリッと真剣な私の顔。
の、中では…
「き、気持ちいい〜!ひゅ〜!」
浮かれ顔。
犬が舌出して喜んでる時の、あの顔です。
でも、「ノリちゃん」じゃなくて、「ノリさん」と呼ばれる事も多くなったお年頃。
見かけは崩さず、目つき鋭く真剣に。を、心がけているけど、どうでしょう。すれ違ったメッセンジャーのみなさん…。

※あ、浮かれても集中力だけは失わずに。

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ひのりごと 15

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毎日毎日、通る桜田門。
通る度に、「綺麗だなー、あぁ…いいなー。」って思って、
そう思う度に、写真も何枚も撮ってきたけど、
「やっぱり綺麗だなぁ〜。」と思って、今日も写真に収めました。
人の地元を悪く言う事ってあまりないと思うけど、何故か色んな人からとやかく言われがちな「東京」。
住み心地が悪いとか、人が多過ぎるとか…。
それだけかな。
綺麗な所が、良い所が、もっともっと、真っ直ぐに伝わればいいなって思ってます。
誰に?
他県の人にも、住んでる人にも、どんな人にも。
「あんた、東京のなんなのさ?」って言われればそれまでだけど、30年暮らして、毎日走っている特別な場所。
これだけ毎日街の中にい続けて、色々なものを見ていると、必然的にそう感じます。
良い所だけじゃないけど、悪い所ばかりでもない。
どんな街もそう。
旅に行くと、感度を上げてその街の良い所を感じようとするけど、
そんな風に、日々の生活でも、少しだけ感度を上げて、私も、もっともっと東京の良い所を知りたいと思います。