ひのりごと 34

大雪の爪痕残る東京に懐かしい音が響きました。
少し乾いた聞き覚えのある音。
一瞬の間を置き、蘇る記憶…。

「あ…これは…ズボンが破れた時の音…。」

少し走ってから止まった信号で、顔は冷静に保ちつつ、お尻を触る。
間違いないです。
久しぶりにズボンが破けました。
正確には裂けました。

やってしまったという気持ちより、お、久しぶり!と、感じる自分。

身なりを整えるのは、様々なオフィスに出入りするメッセンジャーとして大事なことの一つですが、世界のメッセンジャーがツギハギして履いているズボンにシンパシーを感じるのも拭えぬ事実。

昔、イベントで数年ぶりに会ったメッセンジャーが、数年前と同じ緑色のツギハギだらけのズボンをさらにツギハギして履いていたのを見た瞬間もうれしかった。

乗ったり降りたり、継いだり接いだり。
日々同じ事を変わらぬスタンスで繰り返し重ねていくメッセンジャーらしいこと。

なんて、洒落たことを、腰にジャージを巻いたメッセンジャーが語る夕暮れ。
3本から2本になったズボンのローテーションが、春先まで持つことを心から願います。

※ズボンの下にスパッツを履いているので、女性としての威厳は保っています。多分。