ひのりごと 48

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元クリオシティのパパスが遊びに来てくれた。

普段、自分の犬小屋の周りをうろちょろしたり、庭に来る鳥にちょっかい出したり、昼寝したり、小さな半径をそれなりに楽しんでいる犬が、飼い主が帰ってくると突然思い出したようにうれしくて興奮する。
遠くの友人が遊びに来るって、そういう気分だ。
本当言うと、やって来る数日前からうきうきが止まらなかった。荷物やスケジュールの件で電話した時に、久しぶりの会話が楽しくて思わず近況を全部話してしまいそうだったのを、もったいないので会ってからにということで電話を切ったりもした。

パパスがやってきた当日、私は仕事だったので、朝駅まで迎えに行き、小さなメモを渡して私の職場で合流することにした。メモには私のオススメのお店をいくつかピックアップして書いておいた。メモしたのは店名だけで住所等は一切書かなかった。元メッセンジャーなら検索して効率の良い周り方を自分で見つけてくれるだろうという安心感から。デリバリーの指示書、”マニフェスト”の様なメモだった。
午後、私の職場のお店に登場したパパスは私のマニフェストを完璧にこなしてやってきた。オススメのお店とお店の間に自分で見つけた美味しいお店を挟む完璧ぶり。流石だ。

夕方から足慣らしの為に近くのゲレンデのナイターへと向かった。今回、パパスは八甲田でのバックカントリーを楽しむ為にやってきたのだ。
ゲレンデへ向かう車中でクリオシティ時代の懐かしい話をたくさんした。私のクリオシティ時代は2009年のCMWC開催に向けて没頭していたので、所々記憶が曖昧だった。それをパパスが補う様に色々話してくれた。突然蘇ってくる様々な思い出に笑ったり、苦笑いしたり。頭の中がどかどかと降り落ちてくる濃い思い出を受け止めるのに忙しかった。

二日目からは八甲田に入った。
パパスは思う存分この奥深いフィールドを楽しんでいた。私はバックカントリーで滑った事が無いのに自慢気だった。「いいでしょ、いいでしょ、青森、八甲田。」という感じで。
今、偶然にもパパスと私は同じ業界で働いている。山に携わるその職種。今回、私は同業者のパパスにこの青森が刺激になればいいなと勝手に思っていた。今自分がいる環境やその楽しみ方が新たな刺激になればいいなと勝手に思っていたのだけど、結局刺激をもらったのは私だった。様々な知識がたっぷりとしっかりと蓄えられたパパスの山の話はすごく面白くて興味深かった。2009年頃にクリオシティに入ってきたあの頃のパパスよ…。人の変遷て面白い。

一方、先輩として刺激を与える予定だった私は、ガチガチのアイスバーンのナイターで暴走し、楽しいお酒を思い切り楽しんで人の優しさを知り、得意気に運転していた車でオーバルスキッドを決めて雪壁に受け止めてもらうという、ある意味本物の刺激を与えられたと思われる。そして相変わらず愛らしい先輩ぶりを発揮できたと思われ…。

それぞれの場所で、それぞれ楽しんで、仕事して、ふと思い出した時にフットワーク軽く遊びに来てくれる、そんなメッセンジャーな関係がやっぱり良いなと思った数日間。
楽しすぎた。
青森も私も、もっといいところ見せたいから早くまた来てね。

メッセンジャーの世界大会の映像

現在、懐かしの映像として撮り溜まってしまっている2009年のメッセンジャー世界選手権大会(CMWC)を中心に当時の秘蔵映像を編集し直しているのですが、ようやくお台場でのメインレース予選の編集がまとまりました。(シーン9とシーン10)

インタビューでは、クリオシティのメッセンジャーもチラホラ登場しています。

Scenes of MSGR では、2009年のメッセンジャーシーンを一つずつ切り取り、不定期にアップしていっています。

87犬のウンチクと共に、「 A 」の読み物ページでアップしていますので、興味のある方はどうぞ。

 

以下、シーン9のコメントを抜粋。

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メッセンジャーのメインレース。

会社を模したチェックポイントがコース上にいくつも散らばっており、そこから荷物をピックアップし、伝票に書かれたチェックポイントまでデ リバリーする。スタート時に渡される大量の伝票と地図を照らし合わせながらデリバリー順をプラン立て、自分のペースでコース上に飛び出していく。

コースは広い会場を街と同じく迷路のようにレイアウトされ、衝突事故を防ぐため基本的には一方通行となっている。
そのため分岐点で誤った方に進んでしまうと後には戻れず、またぐるりと周回しなければならないため、一瞬の判断ミスで大きなタイムロスとなってしまう。

オーダーによって荷物の個数や荷姿、大きさも様々で、30分以内に届ければ問題ないものもあれば、引取りから5分以内に届けなければならない大至急のものも出てきたりする。
立ち寄った所では、できるだけ荷物の引取りとお届けを同時にこなした方が効率は良く、選手たちは走りながら頭をフル回転させながら走り続ける。

予選は全員同じ数のデリバリーをこなすが順番に指定はないため、最も早く終わるデリバリー順を自分で考えて全てのデリバリーを完了させ、ゴールに戻ったタイムを競う。一つ一つには制限時間があるため一つの荷物でもタイムリミットを外してしまうと予選落ちとなってしまう。

自転車のロードレースや数ある自転車競技の中で、メッセンジャーのレースが他のレースと異なるのは、こうした走るだけではない本来の業務に即した勝つためのエッセンスが必要となるところだ。

メインレースはたっぷりと、前編後編に分けてお送りしましょう。

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シーン10のコメント抜粋。

冒頭のインタビューにある通り、お台場フジテレビ前のエリアを借り切って、公道を使ってメッセンジャーのレースを開催できたということに、改めて実行委員会のご苦労を労いたい。
あれからもう7年も経とうとしているが、本当に手作りのイベントの中で最高のイベントだった。

幾つかのインタビューの中で、印象深いコメントを残している人がいる。レース後にピンクの愛車を掃除していたクリオシティのJAG(ジャージ)だ。
彼は言っている。
「自転車をちゃんと愛してあげれば、その分自転車は応えてくれる」
彼はこの後のメインレース決勝でも、その言葉通りとんでもないパフォーマンスを発揮する。
また、10年以上も走り続けているキャリアの中で、一度も交通事故に遭っていないという事実も、愛されている自転車からのお返しということなのかもしれない。
参加者達から時折聞こえる意義深い言葉もまた、興味深い。

今回は、通常のメインレースと同時にカーゴレースの予選も行われた。
カーゴレースとは、大きな荷物を運べるタイプの自転車で競うもの。
カーゴバイクには大きく分けて2タイプあり、一つはハンドルより前に荷台があるタイプ。
もう一つはサドルよりも後ろに積むタイプ。中にはアタッチメントで本体に固定してキャリアを引っ張るトレーラータイプのものもある。
海外のメッセンジャーの中には、カーゴデリバリーを主な仕事にしている人も多く、彼らはCMWCでのカーゴレースを特に楽しみにしている。

そして、予選をほぼノーミスで通過した上位者たちによる翌日の決勝レースへと続く。

映像はこちら

南国からの贈り物

鹿児島県の竹島から素敵な贈り物が届きました。(竹島と言っても、問題になってない穏やかな方)

皆さんは自転車のスポークで作られたバングルをご存知ですか?

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今でこそ、種類も増えてきた自転車パーツアクセサリーですが、日本で最初にスポークのバングル作りに取り掛かった人物が、東京のK氏と鹿児島のT氏、二人のメッセンジャーだったと思います。(曖昧な記憶ですが)

T氏はかつて、メッセンジャーとして鹿児島の街を走り回っていたこともありますが、そのT氏からこの度、バングルをプレゼントして頂きました。相変わらずのクオリティーで、仕上がりが綺麗なんですよ。

(ちなみにクリオも時々お客様から『クオリティーさん』と間違われること、あります。関係ありませんが)

T氏のバングルの特徴は、リング全体に少し角度が付いていて、引っ掛ける輪っかが2重巻きなのが特徴です。K氏のバングルの方は、15年くらい前の映画「メッセンジャー」や、そのキャンペーン等でも登場していましたね。

二人とも97年にバルセロナで行われたメッセンジャー世界大会に参戦した時に、カナダのメッセンジャーから貰ったものを参考に製作し始めたとか。

このバングル、非売品なのですが、ぜひ欲しいという方がいましたら、こちらまでご連絡下さい。↓↓↓

infoアットマークcourio-cityドットcom

締めきり: 3月15日

数名の方にプレゼントしたいと思います。(当選者発表は、発送をもってかえさせていただきます)

そろそろ2月も終わり。 春は間もなく…。  ( 関内の桜は一部咲き始めたようですね )

Ride Safe!

 

ひのりごと 47

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昨夜の晩ごはんは”丸ごとゆでにんじん”。皮ごと茹でたものをレシピの通り、フォークで崩しながら塩とバターをつけながら食べた。
にんじんは、ある元女性メッセンジャーからいただいたものだ。

メッセンジャーは荷物を早く効率良く届ける為に、ディスパッチャー(配車係)の指示で同じ会社のメッセンジャーと交差点やビルの下で待ち合わせて荷物の受け渡しをすることがある。
大手のメッセンジャー会社に所属していた頃は、無線上で声は知っているけど未だ会ったことのないメッセンジャーと待ち合わせすることも多かった。それ位たくさんのメッセンジャーが同じ会社に所属していた。
全ての人が先輩に当たる新人の頃は、先輩を待たせてはいけないという緊張感と、待ち合わせ場所となるビルの出口や交差点の四角のどこで待つかを間違えないようにという緊張を抱えながら毎回必死に待ち合わせ場所に向かっていた。
待ち合わせ場所に現れるメッセンジャーは、無線の声のイメージのままの人、荷物と一緒に必ず飴をくれる人、無線の勢いのある声とは裏腹に走りきって疲れた顔で登場する人、色々な人がいた。

にんじんをくれた元女性メッセンジャーとは市内のゲレンデの駐車場で待ち合わせをした。
あることがきっかけで、同じ市内に前述の大手のメッセンジャー会社に所属していた女性が住んでいることが分かり、連絡を取り合って会うことになったのだ。しかも、私が今夢中のスキーを教えてくれるということで、この場所での待ち合わせ。入れ替わりで入社しているので現役時代には会ったことがない。初対面がゲレンデってバブルの頃の映画みたいだ。

重なるたくさんの偶然に興奮はしたけど、待ち合わせに緊張はしなかった。
もうお互いメッセンジャーではないから急いで届ける荷物も無いし、怒るディスパッチャーもいない。元メッセンジャーというだけで、いい意味で肩に力も入らない。
車にスキーを積んで現れた女性は想像通りの方だった。
スキーもして、山も登って、話を聞くほど楽しい出会いだということが分かる。
メッセンジャーという職業を選び、山に向かい、この地を選び、スキーで遊び、偶然といえば偶然だけど、何だかどこかで納得できる気がした。そういう風にできてるんだなという感じで。

いただいたにんじんはアドバイス通りそのままシンプルに食べて正解だった。
スキー気分の盛り上がりで買ったユーミンの中古のCDを聴きながら、残っていたワインと一緒に食べる濃いオレンジ色のにんじん。食べながら元クリオシティのメッセンジャーとメールのやりとりをしていた。来週、はるばる横浜から遊びに来てくれる。すごく楽しみだ。自分が選択した今の生活の中にあるこの土地と遊びをそのままシンプルに味わってもらいたい。そういう案内をしたい。そのままでも、私にとっては濃い生活を。