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最近楽しみにしている事があります。
それは、仕事終わりに行く銭湯です。しかも週末の夜、旅に出る前の銭湯です。
といっても、まだ二回しか経験していないのですが…。
走って汗だくの体でバックパックを背負って向かうのは、オフィス街から住宅街へと変わって行く中間地点の様な場所にある銭湯です。周りにはオフィスビルも、お惣菜屋さんのような商店も、植木が並ぶ路地裏もあります。
今年の春、夜の船で大島へ向かう前に行った時、
女湯の御婦人達が程よい距離感で、でもお互いを気遣いながら楽しそうに会話しているのが印象的でした。
そして先日も、青森へ夜の新幹線で向かう前に一風呂浴びに行きました。
前回程混んでいない脱衣所。後から入って来た婦人がお風呂上がりの婦人に話しかけました。
「前もこの時間に来たけどあまり混んでないわね。」
「そうね、あっち(近隣の違う銭湯)はこの時間結構人がいるんだけどね。もう少し後の方が混んでるわよ。」
着替えながらもう一人が答えました。
うろ覚えですがこんな会話だったと思います。
すると、
「そうなのね。じゃあ今度は時間をずらして来てみよう。」
と、最初に話しかけた婦人が言いました。
ここで私は、はっとしました。
私は旅前で少し焦る気持ちもあり、空いていて良かったと思っていたのですが、
来ている方の中にはお風呂と同じ位会話を楽しみにしている人もいるんだと気がつきました。
なんだかいいなと思いながら、私も汗を流して熱い湯船に浸かりました。
そしてまた脱衣所で着替えていると、私の大きなバックパックに気づいたある婦人が、
「どこかに行くの?」と、訪ねてきました。
これから青森にねぶたを見に行く事を伝えると、周りの方も反応し、今度は私がみなさんの会話の中心となりました。
「へー!いいわねー!」、「楽しんでね!」と、次々と声をかけて下さいます。
その連鎖が脱衣所に人が入ってくる度に伝わり、最終的にみなさんに見送られる形で脱衣所を後にしました。
この後いい気分のまま新幹線の中で飲んだ缶ビールが最高に美味しかったです…。
仕事から離れているような話しですが、数回の「ひのりごと」で書いてきたように、街を走るようになってから地域性を強く意識するようになりました。
同じ東京の中にも様々な場所があります。街の風景の中に色々な人がいて、その街の人が色々な風景を作っています。それが植木鉢が並ぶ様子に表れたり、銭湯での会話になったりしているのだと思います。
私はそれを実際に自分の目で見て触れて、どんな人がいてどんな街なのかを知ること、感じること自体を楽しんでいます。
秋も冬もまた、この銭湯からいい旅ができればいいなと思います。