ひのりごと 46

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今、スキーに夢中だ。
先日、仕事の関係上、スキーについて学ぶ機会があった。スキーの中でも山スキー、更にはテレマークというスキーの話にぐっと惹きつけられてしまった。私はスキーに馴染みがない。三十数年一度も経験することなく過ごしてきた。そんな私も、せっかく北国に来たのだからスキーはやりたいと思っていた矢先の研修だった。
スキーの始まりから今に至るまでの話、テレマークの成り立ち、テレマーカーの振る舞いを、”好き”という気持ちを根底に語られる研修は、仕事でありながらドキドキした。
スキー場でザックを背負って滑るテレマーカーは、お互い妙な親近感が湧くらしい。
それって、街で大きなバッグを背負った者同士が抱く親近感と似ている…。もう、この時点でぐぐっときてしまった。
マイノリティ(少数派)、カウンターカルチャー、メッセンジャーカルチャー。固定ギアの自転車のブームがピークにあった頃はそんな言葉にも、天邪鬼な気持ちで”なんだかなぁ”と思っていた。でもそんな時代もとうに過ぎて、”自転車”をそれぞれの嗜好でより自由に楽しむ人が周りに増え、私も程よく歳を重ね、そういうことの良さを素直に感じられるようになってきた。やっと。

敢えて身体に負荷のかかる道具で移動する、荷物を運ぶ、それを仕事にする。それを仕事に選ぶ時点である種の変わり者。物好きだ。
そんなところから始まる共有意識、共感は同じ都市を走る同業者、地方都市、そして世界に広がっていた。
知らない街に行って、同業者を見かけてなんの迷いもなく話しかけられるってなかなかないこと。話しかけるというより、思わず声を発する感覚。
そんな世界がスキーの中にあるということが驚きだった。
やってみたい!
とはいっても、知っている人は分かると思うが、テレマークはとても難しい。踵がフリーになるビンディングで斜面を滑り降りるのだ。(私が今できる最大限の説明。)スキー未経験の私には絶対に無理。絶対。
ということで、ゲレンデでアルペンスキーの練習から始めることにした。道具は周りの心優しい人が使っていないものを提供してくれた。この土地の人達はこの土地を楽しもうという気持ちにとても優しくて親切。
ゲレンデに5回行った。成長のペースは予想通り。でも楽しくてしょうがない。ゲレンデを滑る感覚を身体に残しながら運転する帰路。頭の中はドリフト状態。で、安全運転。メッセンジャーを始めたばかりの頃はその日一日の仕事をもう一度頭の中で繰り返しながら帰っていた。あの瞬間の荷物のピックからのあそこでのパス。良い瞬間を思い出しながら走る帰り道。メッセンジャーはナルシストな職業。

今の目標は来シーズン中に夏に歩いた山にスキーで入ること。それができたら、テレマークの練習の始まり、かな。
できるか分からないけど、とにかくやってみたいという気持ちもメッセンジャーを始めた時と一緒。
恋に落ちやすい性分は変わらない。

そんな中で最近はっとするような出来事があったのだけど、それはまたの機会に。
これからメッセンジャーバッグにスキーのウェアと練習後の温泉セット詰め込んで明日の準備だ。